最近、アジアが舞台になっている小説を読むのが好きです。
旅行記などのノンフィクションではなく、小説(フィクション)の方です。

その中でも、特に好きな舞台がキャメロンハイランド。
現在、私の知る限りではキャメロンハイランドを舞台にした小説は3冊出ています。(日本国内ではね。)

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キャメロンハイランドを舞台にした小説

まず、なぜキャメロンハイランドを舞台にした小説が多いかっていうと、ジム・トンプソン失踪事件があった場所だからなんですよね。

【ジムトンプソンとは】ジェームズ・ハリソン・ウィルソン・トンプソン(James Harrison Wilson Thompson, 1906年3月21日 – 1967年?)は、タイのシルクを世界に広めたことで知られるアメリカ人実業家。軍人。
CIAの前身機関であるOSSに所属していた諜報員だった。

3作品中2作品は、このジム・トンプソン失踪事件を元にしています。
中でも、1番有名なのは、松本清張の「熱い絹」で、私が1番好きなのもこの作品。
そして、ほぼ同時期(2002年)に発表された2作品が、篠田真由美の「綺羅の柩」と、有栖川有栖の「マレー鉄道の謎」です。

「綺羅の柩」は、「熱い絹」と同様に、ジム・トンプソン失踪事件をテーマにしています。
「マレー鉄道」の方は、ジム・トンプソン失踪事件ではなく、別の謎解きです。(話の中にジム・トンプソン失踪事件は出てくるけど)

個人的オススメ順としては、「熱い絹」「マレー鉄道の謎」「綺羅の柩」です。
私は、何よりも現地の雰囲気が伝わって来る様な作品が好きなので、そういった点を基準にしています。

「熱い絹」は、上下巻合わせて結構なページ数なのに、スラスラ読めました。
それだけ、入り込みやすい内容だったし、読んでいるとキャメロンハイランドの風景が1番強く浮かんで来ました。

次の「マレー鉄道の謎」も、割とスラスラ読める感じだったし、キャメロンハイランドの雰囲気も良く伝わってくる。
ただ、他の2冊とは違って、ジム・トンプソン失踪事件の話じゃなかったので、ちょっと軽かったかな。
面白いんだけど、犯人がちょっと単純すぎた。最初から怪しい人がそのまま犯人っていうのが…

最後の「綺羅の柩」も、決してつまらないわけではない。
むしろ、オチ的には、さすが小説!って感じで、面白かった。
でもなかなかキャメロンハイランドへ行ってくれないのと、余計な飾り文章が多くて何度も挫折しそうになってしまった。
Amazonのレビューでも、苦手な人がけっこういるみたいなんだけど、ちょっとBLぽい?っていうのかな。
私はBLが嫌ってわけじゃないんだけど、何か違和感があって…ライトノベルっぽいって言うのかな?
あと、キャメロンハイランドの雰囲気もあんまり伝わって来なかった。

↓続いて、ちょっと詳しく、3冊のレビューなどをしてみます。

熱い絹

熱い絹 松本清張(初版発行: 1988年)
マレーシアの高原カメロン・ハイランドの密林に消えた大富豪。その謎を日本・マレーシアの両警察が追ううちに次々と起こる連続殺人。緊張をはらみつつ、事件は意外な結末へと一気に向かう。1967年に起きたタイ・シルク王「失踪」事件を背景に、雄大な構想でまとめあげられた本格長編推理完結(Amazonより)

実は、熱い絹を読んだのは、キャメロンハイランド旅行中だったので、今はもう、だいぶ内容を忘れています。
最後のオチに不満がある人も多い様ですが、私としては、かな〜り楽しめました。

この小説の中に出てくる、シルク王=ジェームズ・ウイルバーが、ジム・トンプソンをモデルにした人物。
キャメロンハイランドので失踪事件に加えて、軽井沢で姉が殺された事件を絡めています。
実は、実際にも、ジム・トンプソンのお姉さんは、失踪事件の5ヶ月後にペンシルベニア州の自宅で他殺体で発見されていて、失踪事件と何か関係があるかもしれないんですよね。(詳細は不明)

そういった、さまざまな伏線などがちりばめられている点も、1番読み応えがあった。
日本から来た警部達が、キャメロンハイランドを巡っていく様子や、スモークハウスでの食事の様子なんかが、リアルに目に浮かびました。
これを読んで「私もスモークハウス行ってみたい!」ってなって、実際に紅茶を飲みにも行きましたw

関連記事 >>> スモークハウスでアフタヌーンティー

マレー鉄道の謎

マレー鉄道の謎 有栖川有栖(初版発行: 2002年5月8日)
旧友・大龍の招きでマレーの楽園、キャメロン・ハイランドを訪れた火村と有栖川。二人を迎えたのは、舞い飛ぶ蝶ならぬ「殺人の連鎖」だった。ドアや窓に内側から目張りをされた密室での犯行の嫌疑は大龍に。帰国までの数日で、火村は友人を救えるか。第56回日本推理作家協会賞に輝く、国名シリーズ第6弾。

これ「臨床犯罪学者 火村英生の推理」っていう、ドラマにもなったシリーズなんですよね。
私はドラマを見ていたので、「マレー鉄道の謎」を読んでいると、自然と斎藤工&窪田正孝が思い浮かんでしまいました。
2人とも好きな俳優なんだけど、小説は完全に自分だけのイメージを楽しみたい派なので、テレビのイメージが出て来ちゃうのはちょっと残念です。
だけど、この作品を映画化したら絶対見るだろうな。うん。

最初にも書いた通り、犯人が単純すぎて残念ですが…犯人を知るまでは、色んな想像しながら楽しめました。
もう、いっそ犯人は大龍(主人公たちの友人)とかだったら、面白かった気がするんだけどな。

あと、海外に出て来て調子に乗ってしまったバックパッカーの青年(津久井)が、リアルですね。
旅してると、あ〜こういう子、良くいるよな〜、と思った。
それ言ったら、津久井を小馬鹿にする会社員バックパッカー(池沢)も、一癖ある小説家のイギリス人(アラン)も、旅先で良く遭遇するタイプ。
作者は、こういった「旅に必ず登場してくるタイプ」の人物の特徴を、とても上手に描いてるよなぁ。

綺羅の柩

綺羅の柩 建築探偵桜井京介の事件薄 篠田 真由美(初版発行: 2002年8月5日)
1967年イースターの休日、マレーシア山中の保養地から消えたシルク王、ジェフリー・トーマス。彼の行方は今なお杳として知れない。それから三十余年後、軽井沢の別荘でひとりの老人が死んだ。奇妙な偶然と縁に導かれて南の国へと旅立った京介、蒼、深春の三人がついに見いだしたトーマス失踪の真相とは…

この小説の中での、ジム・トンプソンは、シルク王=ジェフリー・トーマス。

こちらも、シリーズ物みたいなんだけど、私はこの作品が初めて。
なので、名前がゴチャゴチャになって、何度も最初の人物紹介のページに戻った。(あって良かった人物紹介w)
日本人の名前なのに、なんで覚えられないんだろう?と思ったら、面倒なネーミングが多いからなんですね↓

弓狩惣一郎
遊馬朱鷺
栗原深春
輪王寺綾乃
刀根尚都
野尻環
神代宗

みなさん、こだわりのある感じの素敵なお名前ですが…私アホなんで、毎回フリガナ付けてくれないと読めませんw
下手すると男か女かも分からなくなってしまいます。
あと、それぞれのキャラクターがアニメみたいな感じで、現実離れしすぎているのも馴染めなかった。
遊馬朱鷺みたいな女って…西村京太郎シリーズとかに出てくる、今どき「そうですわ」みたいな言葉使いの女よりも、不自然に感じた。

この話は、余計な文章がなければ、半分のページ数くらいでいける気がする。
そのせいか、実は途中で二度程挫折したので、この本を完読するまでに1年以上かかってる。

でも、ミツさんとトーマスの話は好きですよ。うん。
惣一郎の嫌われ者な感じも面白かった。
面白い部分は、スラスラ〜と読めます。
たまに詰まってしまう部分があって、そこさえ耐えればすぐに読める。

でも、あれ?そういえば結局、失踪の理由って何だったんだっけ??(ホントにすぐ忘れるな)

あ、あと、読んでいて、キャメロンハイランドの風景が、全然浮かんで来ないのが不思議だった。
けっこうキャメロンハイランドの事は描写されてたと思うんだけどなぁ…
キャメロンハイランドに向かうのが、半分以上読んでからっていのもあるかもしれない。

と、酷評になってしまったが、読む価値はあります。話は面白いです。

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